相差かまど取材レポート、いよいよ本番のアワビ漁は・・・
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海女小屋体験施設「相差かまど」で、海女さんたちのおもてなしに密着
2019年6月3日
志摩半島では5月半ばからアワビ漁が口開けとなりました。アワビをとる海女さんの勇姿をお伝えしたいのですが、あいにく海が荒れ気味で休漁続き・・・。
先日も撮影できないかと浜に行きましたが空振り。畑仕事の格好をした海女さんに会いました。漁がなかったので、外で草抜きをしていたんだそう。
「海の匂いをかぎたくて。こんなに漁がないと頭の皿が乾くわ」。カッパみたいと笑いつつ、漁に出られないのはちょっと気の毒。
気分を変えて、元気な海女さんに会えるとっておきの場所を紹介しましょう。
「相差かまど」での海女小屋体験です。
「かまど」は、地元の言葉で、海女さんが漁の準備をしたり休憩をする小屋のことを指します。ここでは、海女さんたちが新鮮な魚介の網焼きと、得意のおしゃべりでもてなしてくれる体験施設のことです。
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ということで、今回は営業中の「相差かまど」におじゃまして、体験の現場を取材してきました。
スタート地点は、前回の記事で到着したバス停「相差(石神さん前)」。
すぐ前の道を渡って(車に注意)、ガソリンスタンドのある角を右に入ってください。
そのまままっすぐに歩くと、途中に相差かまどの看板が見えてきます。
突き当りの堤防をくぐり、漁港に入ってすぐ左手が1つ目の海女小屋「前の浜」。
「前の浜」の中はこんな感じ。20人ほどの団体でも利用できます。
次に、ここから「おぜごさん」に向かいましょう。船着き場を右手に見ながら港の奥へ。
途中には、本物の海女小屋が立ち並んでいます。行き止まりが鯨崎遊歩道の入り口。2つ目の海女小屋「おぜごさん」は、この先。
磯を見下ろしながらグリーンのラインに沿って歩くと、「おぜごさん」が見えてきます。
いらっしゃい! と、おもてなし役の海女さんたち。
炭火の準備を始めました。もうすぐランチタイムの予約客が到着するようです。
小屋の中には、漁で使う本物の道具が!
眼の前に海を一望できる景色は、ここならでは。
今日の食材はサザエ、牡蠣、アッパ貝(ヒオウギ貝)、アサリにアジ。オプションで伊勢エビも。
海外のお客さんがやってきました。お父さんと娘さん2人で、タイから来られたそうです。
さっそく網焼き開始。うーん、いい匂い。
箸を使いますが、頼めばナイフとフォークも用意してくれます。
おしゃべりも、おもてなし。英語を勉強中の海女さんが伊勢エビを「イセエビ・ロブスター」と説明すると、タイのお父さんは「高級な店で食べるものだね」と喜んでいました。
続いて来たのは一人旅の中国人の学生さん。「海女さんは、どうして女の人?」「サザエの肝は食べていいの?」など、達者な日本語で興味津々。
食事もおしゃべりも満喫して、ヒジキが入ったウニ飯でシメ。
お客さんたちは、海女さんらと記念撮影をして帰りました。
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相差かまどのご利用したい方へ、予約方法を紹介します。
当サイトのトップページを開いてください。「相差海女小屋体験の予約へ」のリンク文字をクリックして予約フォームへ。利用する人数や希望の日時などを入力します。料理の内容や料金についてはこちらのページをご覧ください。
体験小屋は2つあります。相差漁港に入ってすぐの「前の浜」と、漁港を通り抜けて鯨崎遊歩道の途中にある「おぜごさん」。
通常は、予約状況によって運営事務所がどちらかの小屋かを決めます。でも、予約フォームのリクエストすれば、できる限り希望に応じてくれるので、「ご相談・ご要望」欄に書いてください。
お客様が予約フォームを送信すると、現地にある運営事務所に届きます。運営事務所が予約状況に照らし合わせて日時と場所を調整し、メールや電話で連絡をします。お客様がOKなら予約確定です。
わからない点があれば、運営事務所に電話(相差海女文化運営協議会☎0599-33-7453)で問い合わせてください。電話予約もできます。
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さて、さすがに記者もお腹がすいちゃいましたし(笑)、仕事はこのへんにして帰ろうかな・・・・・・ん?
小屋のそばに階段がある。気になるのでちょっと登って行ってみます。
そういえば、ここは鯨崎遊歩道でした。
森の中だけど、すぐ足元は海。木々のあいだから大海原の景色が拝めます。ん?
大昔から特別な場所だったのでしょう。かつて神社があった跡のようです。「皇子御神社跡」の文字に「おじこさん」と読み仮名がふってありました。おじこさん、おじこさん・・・・・・どこかで聞いた名前。
もしかして、「おぜごさん」のこと?
むむむ、今日もまた、寄り道が長くなりそうですが、記事はこのへんで。
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追記
冒頭に休漁続きと書いたんですが、取材後の5月末、およそ半月ぶりにアワビ漁が口開けされたので、取り急ぎ報告します。
海は前日よりもましでしたが、波がまだあり、霧も出ているコンディション。
だけど、海女さんたちの姿が漁港に戻ってきたのは何より。
海から上がったばかりのベテランに、この日の成果を見せてもらいました。
「大漁? まあ、こんなもんやね」。ご本人にはちょっと物足りない様子。久しぶりに潜ったので、流れに酔ってしまったという海女さんも。
それでも市場は活気づき、「姉さん、大漁か!」という大きな声も聞こえました。
どうか明日からも、海女さんが元気に漁をできますように。お天道さま、頼みます!!!